気分が良い時用

個人メモ

ゴティックメードを観ました

近所の映画館で再上映していたゴティックメードを観た。 2012年公開の映画で、原作者兼監督兼原画兼うんたらかんたらの永野護曰く、ソフト化は絶対にされないということなので 今になっても全国各地の映画館で一定量の要望が集まり次第、再上映が繰り返されているらしい。

今作の特徴として、ファイブスター物語(FSS)を読んでないと内容の半分は意味不明であることをまず挙げたい。 ネットを見ると今作に登場する人形ロボットであるゴティックメードの戦闘シーンと、エンドロールの評判が高いが FSSを読んでいない人間からすれば、戦闘シーンは一瞬で終わるしロボの動きが早すぎてケレン味が無く、エンドロールに至ってはやはり意味不明なのではないか。 (なんで犬が急にドラゴンになるんだ?とか、最後の最後に出てくる金髪のねーちゃんは誰なんだ?とか。)

だけど、FSSを読んでいれば感想は違ってくる。 GTMはあーいう動きするもんだ、とか、あいつがフィルモア初代皇帝なのか、いろいろと楽しめるところが出てくる。

ということで感想を書いてみる。

まず、やっぱりGTMの戦闘シーン短いわ。あれは誰でも思うんじゃなかろうか。もう一回くらい戦闘があるものかと思った。 調べたら永野護がロボの原画を全て描いたらしい。あの関節の動きを正確にイメージして原画に落とせるのは永野護本人しかいないということだったが そもそも騎士ではない俺には関節の動きまで目に追えなかった。

ただ、あのケレン味の無さはよい。人間的でない動きというか。

普通の人間であれば刃物でものを斬るとき、それが硬ければ硬いほど上に振り上げて位置エネルギーの助けを得た上で下に振り下ろすが 超兵器であるGTMはそんなことはせず、敵機体の胴体に向かって最短距離で剣を当てる。 敵機体は切断というよりは、刃物による衝撃を受けて装甲が剥がれ、後ろに転倒する。めっちゃかっけえ〜〜〜

あと戦闘シーンより前の場面になってしまうけれど、直前のカイゼリンの起動シーン。 音が良いよね。起動音が女性の悲鳴に聞こえる〜ってのは良いのか悪いのかなんともいえんけど、そのあとの機械音。いいねえ〜〜〜

スタッフロールを見るにIHIのグループ会社が機械の動作音周りに協力しているとのこと。 もちろんカイゼリン以外の音も良かった。というかカイゼリンよりも、やられメカ(名前忘れた)の動作音のほうが心くすぐられるものがあった。 これからFSSを読むときはGTMの動作音をあの音で脳内再生しよう。

ただ、繰り返しになるけれど戦闘シーンが短いのは残念。 システムカリギュラの人たちが出てきたときは、次はマーク2 VS カイゼリンかと期待したのに… (ちなみにマーク3=破裂の人形という設定になっていたことに驚いた。  確かに原作4巻でも破裂の人形は変形機構があったけれど、クラウドスカッツみたいに飛行機に変形はしなかったよなあ)

そういえば同じシーンで出てきたツバンツヒ博士が、本作時点ではすげえ偉そうな感じで意味深なことを呟いていたのに少しにやけてしまった。 原作最新刊では女子高生のコスプレさせられているような人なのに…

結論としてはトータルで言えばまあ満足だけど、決して万人におすすめする映画ではないっすね。(そんなこと角川もとっくに承知だろうけど)