気分が良い時用

個人メモ

王とサーカスを読みました

おねショタ!(鳴き声)

はともかくとして、とても良い小説だった。やっぱり米澤穂信はビターエンドの作品がよい。 さよなら妖精、折れた竜骨、犬はどこだ、夏季限定トロピカルパフェ事件、全部良い。

また、読者からしてみると犯人が2転3転して見える、犯人がぽっと出ではないミステリーはやっぱり良いね。 半年前に宮部みゆきの魔術はささやくを読んだんだけど、あれはあまりのぽっと出っぷりとトリックの荒唐無稽さに笑ってしまった。

あまりミステリーを読んでいて自分から考えて推理する方ではないので、最初は素直に銃を持っていたアメリカ人が犯人かと思ってた。 (一昔前にABC殺人事件を読んだときも、普通にイニシャルがABCの人が犯人だと思ってしまった。  あとから思えばあからさまなミスリードだとわかるようなネタにもほいほいひっかかってしまう。)

あと話の根底に「マスコミはあくまで情報を万人に伝えるのが使命であり、たとえ悲惨な情報だったとしても記者本人がそれに対し直接行動することはない」という第三者性に関する問いが流れ続けているのが良かった。(テレビの自然番組とか見ていて、死に行く動物を映して自然の厳しさを謳うのはいいけどそんなことより映しているお前がその動物を救えよ!って突っ込みたくなるようなヤツ) それが真犯人の動機にも密接に関わっていて、いやー上手な話だなあと思う。

どうでもいいけど最近やたらとカトマンズが舞台の創作を読む。(神々の山嶺とか) 大学時代に同じサークルの奴がエベレストに観光に行っていたけれど、彼もやっぱりカトマンズに滞在したのだろうかとふと思った。